親の介護で仕事が出来なくなりました。これからどうしたらよいでしょうか?というご相談
親の介護で仕事が出来なくなりました。これからどうしたらよいでしょうか?というご相談
こんにちは、だんです。
先日のご相談は、起業をしてまぁまぁ調子が良かったが、父親が亡くなるとともに母が認知症になってしまい、自宅で仕事をしている自分が介護する事になった。
しかし、お客さんが来ている間に何かしでかすのではないかと、仕事も上の空になり仕事が出来なくなってしまった。というご相談でした。
介護問題もかなり深刻で、ライフスタイルの変化とともに最近多くなってきたご相談です。
最後まで見取りたかったけれども、コロナ渦で見取る事が出来なかった方から。
自宅に連れ帰って来て。大変だったけど最後まで一緒にいた方ですとかいろいろな方がいらっしゃいますね。
私も21歳の時に母が認知症になりました。
当時は介護保険などもなく、自分の稼ぎだけではどう考えても食べていく事ができず、どうしてよいのかわからずに泣きながら会社や親族に電話をしたのを覚えています。
しかし、ずっと一緒にいて色々学んでいる事で気づいたこともありますので、そんな事もまとめながら、今回の、ご相談について書いてみたいと思います。
お母様が認知症になったのは、お父親が亡くなって暫くたってからだそう。
私たちの上の年代は男性が家の事をするなんてとんでもないという時代。
布団の上げ下ろしから、洗濯機の脱衣籠に脱ぎ捨てた服を入れる事もせず、お風呂の脱衣場に脱ぎ捨てる方などもいらっしゃるようです。
つまり、一般家庭ですと、寝ても覚めても旦那様のお世話をし続けていくという感じですね。
それが生きがいでもあり愛情表現でもある訳で、だからこそ昔の女性は母性愛が非常に強くて、ちょっとやりすぎなくらいお世話好きな方が多かったのだと思います。
そして、その対象が急にいなくなったら、何をしてよいのかわからなくなります。
特に相性がよく、魂が一つになってしまっている人は、自分の魂が抜け落ちたかのようになってしまい、ご自身の心のバランスが取れなくなるのも無理はないでしょう。
パートナーのいない現実を見つめる事ができず、思い出の中で生活したいと思うのも無理はないと思うのです。
この方は、お母さまの認知症をなんとか食い止めたいと、毎日子供を教育するかのごとく、いろいろと「やらせて」いたそうです。
お話を伺っていると、好きなことはあって、それを差し出すとずっとやっているというので、楽しい方をしていただいてはいかがでしょうかと、ご提案させていただいました。
この方に限らずですが、親が認知症になったと、自分がしっかりしなければと、親のようになってアレコレ指図する方は多いです。
結果何が起こるかと言えば、あんなに頼っていた親が子供のようになって、しかも大人の子供なんて本当に手が焼ける訳で毎日がガチバトルで何が起こるかわからない状態になります。
見ていない所で、色々とやらかしてくれます。
ただ、こんな状態にまでなっても、孫が生まれて面倒みるようになったり、あとはペットを飼うようになると、急にしっかりして記憶力も回復したりします。
自分がしっかりしないと、子供に危険な目に合わせないようにとか、ペットの餌やりを忘れたらペットの命にかかわるからですね。
つまり、私たち子どもは、親の前ではずっと子供で良いという事です。
あと、一緒に過ごしていて気づいたことがあります。
例えば、よくあるお金を盗まれたとか、誰かが付け狙っているとか、まぁ色々あるんですが。
当人の世界ではすべて本当の事なんです。
話をしていて、ふと気づきました。
鼻の中では全て現実に起きている事だ、本当の事なんだと。
否定したところで、本人の中では現実なんですね。
ですので、全て本当の事だよねと、きちんと受け入れるようにしたら、不思議なことに母はそういった話を殆どしなくなりました。
例えば、現実的ではない話というのは、私などはよくある訳です。
ご相談のっていたら、頭の中にイメージが浮かんで、山坊主みたいなのがウニウニと話しはじめるとか(笑)
これ、真顔で話し始めたら、絶対変な人って思われる。
ご相談者様に信じてもらえるかなぁ?なんて思いながら話します。
ただ認知症の方は、そういった判断能力も堕ちてきていたり、周囲の人との関係性なども見えづらくなっています。
ですので、自分の中の真実をいかにわかってもらえるのかに全力を尽くしてしまうんですね。
ですから、彼女の中ではすべて本当の事だと受け入れました。
「そうなんだ、大変だったね」ですとか、お金ならそれは大変だと、お話をちゃんと最後まで聞いて一緒に確認をして。
昨日の事も一緒に思い出すまで傍にいて、それまで何を買ったか順序だてて思い出してもらいました。
そうすると、勘違いである事がわかるので、ちゃんと落ち着きました。
この時も、「良かったね^^」とさらっと流して終わらせます。
「全く何やっているの!」ですとか「いい加減にして」などと、刺激を与えたり感情に訴えるような事を言うと、同じことを繰り返します。
今は接し方の本などもあるので、参考にされると良いのですが、大切なのはお父様・お母さまたちの気持ちをまずは汲んで差し上げる事なのかなと思うんです。
そして、いつまでも子供でいることも大切。ですから「やらせる」ではなくて、「やってもらう」
今まで通り「あまえる」
うちの母も、普段は認知症で幻覚や幻聴なども沢山あったのですが、そんな時でも、孫たちへはちゃんとご飯が作れるんです。
猫がいれば、猫の為にちゃんとしなきゃと頑張るんです。
認知症が酷くなる要因としては、親御さんとの時間をお子さんが取らないという事もひとつあります。
年を取ると友達がいなくなりますので、構ってくれる人が必要な訳ですね。
そういう意味でもペットがいると良いですね。
そうそう、うちの母です。
ものすごい強がりで、一人で生きていけるってずっと豪語していました。
今は、施設に入った事もあるかと思いますが、現実をちゃんと見る事ができ遠回りにですが「寂しい」って表現できるようになりました。
本当に孤独な時はいえないものかもしれませんね。