服を試着せずに買う。それがプロフェッショナルの仕事でしょうか。

先日、あるコラボレーションの話が持ち上がったとき、相手の専門分野について質問されたことがあったんです。服を買ってから試着するような話で、私は正直、それではプロの仕事とは言えないんじゃないかなって感じたんですよね。

プロの仕事は、お客様の目に見えないところで決まる

イメージコンサルタントの知人がいるのですが、彼女のお買い物同行サービスでは、事前に各お客様の体型を細かくチェックして、その方に似合う服があるかどうか、実際に複数の店舗を回って確認するんです。

サイズがない場合は、当日までに用意してもらえるよう店側に依頼することもあります。そうして初めて、お客様をご案内するんですね。

もちろん、その場で自分の目で確認してから購入を勧めます。

プロとして活動するなら、経験から分かっていることは最初から伝えるべきだと思うんです。

「ここまでやらないと本当に良い結果は出ない」って分かっているなら、最初から「こうした方がいい」って提案する。費用が発生するなら、それもきちんと説明して、自分で手配する。特に駆け出しの頃は、採算度外視でもここまでやって初めてプロなんですよね。

そうすれば、言葉にしなくても「素人とは違う。だから仕事として成り立つ」っていうことが伝わります。

お客様は、予想を上回るサービスを受けたとき、心から感動します。そして「また来たい」って思ってくださるんです。

女性顧客には、男性的な「プロらしさ」が通じない理由

さて、ここからが本題なんですけど。

女性を対象にしたビジネスにおいて、男性的な視点での「プロらしさ」が、かえって仇になることがあるんです。

私は約5万人の会員を持つ団体の会報にコラムを書いています。かつてその団体が他社に譲渡されたとき、大手代理店が運営していた時期がありました。

移譲の際、企業の役員にご挨拶に伺ったんですが、その時に「プロと仕事がしたい」っていうようなことを言われたんです。

詳細は省きますが、その後先方のご要望に沿った文章を書いたときにトラブル発生。

これはMAでプロジェクトを企業が引き取ったのですが、引継ぎの際、ターゲット設定などの話をきちんとしていなかったのかなと思います。

それで、ターゲット層についてと、決裁権のある人についての説明をこちらで簡単にご説明、それからそのシステムが終了する1年位前まで、私はそのコラムを書き続けました。

仕事をするうえで大切なのは、お客様の期待を超える価値を提供することだと思います。

特に女性顧客が中心のビジネスでは、細やかな気配りと、目に見えない準備の積み重ねが信頼につながります。

この、買い取った企業の方は思い切り男性思考って感じの紺色スーツを着た方でした。その後この企業はメルマガと同じ名前に企業名を変更し、急成長を遂げましたので、経営手腕は素晴らしい方なのだと思います。