本当の意図を探る立ち止まる力と、どう見えるか?視点を変える力
最近、経営について悩む方々とお話をしていると、考えることに疲れている人が本当に多いと感じます。
会社の売上が思うように伸びない。社員が思ったように動いてくれない。新規事業がなかなか軌道に乗らない。
特に起業を考えている方や、家族の理解が得られずに苦労されている男性経営者からは、「いろいろ考えているのに、なぜうまくいかないんだろう」という声を聞きます。
最近ブログで過去記事を違う観点から見た場合ということで修正をかけていたのですが、自分の中でのクリティカルシンキングとリフレーミングの認識がどうもあいまいだなと思い。
今回はこの部分だけまとめてみます。似ているようで、実はまったく違う、この2つの力を活用する事で起業や経営に役立てようという試み。
いや絶対役にたつんですけどね。
メスを入れるか、額縁を変えるか
クリティカルシンキングとリフレーミング。どちらも「考え方を変える」という点では共通していますが、そのアプローチはまるで違います。
クリティカルシンキングは、外科医が患部を見つけるような思考法です。「本当にこれで正しいのか?」「前提に間違いはないか?」と、あえて疑いの目を向ける。事実を丁寧に吟味し、論理の穴を見つけ、より適切な結論を導き出す。
一方、リフレーミングは、絵の額縁を変えるような思考法です。出来事そのものは変わらないけれど、見る角度を変えることで、まったく違う意味が見えてくる。「半分しかない」を「まだ半分ある」と捉え直す。
前者は「分析」であり、後者は「解釈」
経営に必要なのは、どちらか?
売上が前年比で20%減少したとします。
クリティカルシンキングなら、こう問いかけます。
「本当に商品力の問題なのか? 市場環境の変化はないか? 競合の動きは? 販売チャネルに問題はないか? データの根拠は正確か?」
一つ一つの前提を疑い、論理的に原因を特定していく。これは問題の本質を見極めるために必要不可欠な思考です。
でも、分析だけでは人は動けません。
ここでリフレーミングが力を発揮します。
「売上が下がった」という事実を「今までのやり方を見直す絶好の機会だ」と捉え直す。「顧客が本当に求めているものに気づくチャンスかもしれない」と意味づけを変える。
すると、落ち込んでいたチームが前を向き始めます。新しいアイデアが生まれ、行動が変わっていく。
経営には、両方が必要であるといってよいでしょう。
クリティカルシンキングで本質を見極め、リフレーミングで前に進む力を生み出す。メスを入れて問題を特定し、額縁を変えて希望を見出す。
霊的な視点から見る、思考の影響力
ここで少し、スピリチュアルな話をさせてください。
経営者の方々とお話をしていると、「なぜか急にうまくいかなくなった」「原因不明のトラブルが続く」という相談を受けることがあります。
実は思考そのものが、目に見えないエネルギーを生み出しているのです。
強い執着や恐れ、怒り。こうした感情が長く続くと、それが「念」となって自分自身や周囲に影響を及ぼすことがあります。俗にいう生霊のような現象で、自分に自分で呪いをかけているようなものです。
「あの取引先に負けたくない」という強い競争心。「この事業を成功させなければ」という過度なプレッシャー。「家族に反対されて悔しい」という怨念。
こうしたネガティブな思い、知らず知らずのうちに自分の判断を曇らせたり、肝心な事に気づかない心をつくりあげてしまいます。
良いところまでいっても、最後で他社に追い抜かれたり思いがけない事件で目的達成できないのは、そのせい。
逆に、逆転ホームランをうつのも、己の心への刷り込みのせいだったりします。
そして興味深いことに、クリティカルシンキングもリフレーミングも、こうした良い意味での霊的な影響を強めトラブルから身を守る力になります。
クリティカルシンキングは、感情に流されず事実を見る力を養います。「本当にそうなのか?」と問い続けることで、思い込みや執着から距離を置くことができる。
リフレーミングは、ネガティブな感情を手放し、出来事に新しい意味を与える力です。恨みや怒りを学びや成長の機会に変えることで、重たい念が軽くなっていく。
龍の通る道を開く思考法
風水や気の流れを大切にする方なら、「龍穴」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
龍穴とは、大地のエネルギーが集まる場所。そこにいるだけで運気が高まり、物事がスムーズに進むと言われています。
実は思考にも、同じような「流れ」があります。
クリティカルシンキングは、思考の滞りや視えなくなっているフィルターを外していきます。
論理の矛盾や前提の誤りという「詰まり」を取り除くことで、本当の答えが自然と現れてきます。
リフレーミングは、新しい視点というエネルギーの入り口を開きます。固定観念という壁を取り払い、可能性という「気」が動くきっかけをつくります。
どちらも、ビジネスに龍の通る道を開く思考法なのです。
使い分けのポイント
では、実際の経営でどう使い分ければいいのでしょうか。
クリティカルシンキングが必要な場面
- 重要な意思決定をする時
- 数字やデータを分析する時
- 問題の本質的な原因を探る時
- 戦略や計画の妥当性を検証する時
リフレーミングが必要な場面
- チームのモチベーションが下がっている時
- 失敗やトラブルに直面した時
- 行き詰まりを感じている時
- 新しい視点やアイデアが必要な時
大切なのは、二つを組み合わせることです。
たとえば、新規事業が失敗した時。
まずクリティカルシンキングで冷静に分析します。「どこに問題があったのか? 前提に誤りはなかったか? データは正確だったか?」
そして分析が終わったら、リフレーミングで前を向きます。「この経験から何を学んだか? 次にどう活かせるか? この失敗がなければ気づけなかったことは何か?」
分析して学び、視点を変えて進む。この繰り返しが、ビジネスを成長させていくのです。
家族に反対された時こそ
起業を考えている方や、奥様から反対されている経営者の方に、ぜひ知っていただきたいことがあります。
「反対される」という事実に対して、2つの思考法を使ってみてください。
クリティカルシンキングで問いかけます。
「本当に反対の理由は何か? 感情的な反対なのか、論理的な懸念なのか? 自分の説明に不足はなかったか? 相手の立場で考えたことはあったか?」
そしてリフレーミングで捉え直します。
「反対されるということは、それだけ心配してくれているということ。真剣に考えてくれている証拠かもしれない。今の説明では伝わらないということは、事業計画をもっと磨くチャンスかもしれない」
分析と解釈。疑いと希望。冷静さと前向きさ。
この両輪があって、初めて困難を乗り越えられるのです。
思考が現実を創る
最後に、少し不思議な話をします。
思考は、現実を創ります。
「できない」と思い続ければ、本当にできない理由ばかりが目に入ってくる。「きっとうまくいく」と信じれば、チャンスが見えてくる。
でも、根拠のないポジティブシンキングだけでは危険です。現実を見ずに楽観的になれば、大きな失敗を招きます。
だからこそ、クリティカルシンキングとリフレーミング、両方が必要なのです。
クリティカルシンキングで現実をしっかり見る。そしてリフレーミングで、その現実に新しい意味を与え、前に進む力に変える。
これは、霊的な視点から見ても理にかなっています。
執着や恐れという重たいエネルギーを手放し(クリティカルシンキング)、学びや成長という軽やかなエネルギーに変換する(リフレーミング)。
こうして思考を整えることで、自然と良い流れが生まれてくるのです。
経営も人生も、結局は「どう考えるか」で決まります。
メスを入れる力と、額縁を変える力。
あなたは今、どちらが必要ですか?
立ち止まって問いかける勇気と、視点を変えて進む柔軟さ。
その両方を持った時、ビジネスは必ず動き出します。