供養・お墓参り

成仏とは・意味・成仏できないとどうなる?因果応報についても

成仏とは何か?その意味と成仏できない霊魂の真実

皆さんは「成仏」という言葉を日常で耳にすることがあるでしょう。亡くなった方に「成仏してください」と手を合わせたり、お葬式の場面で使われたりしますが、この言葉の本当の意味をご存知でしょうか。

今回は、成仏の意味や成仏できない霊魂の状態、そして残された家族ができることについて、詳しく解説していきます。

成仏の本当の意味とは

成仏とは、文字通り「仏に成る」ことを指します。仏教の教えでは、人が持つ欲望、すなわち煩悩という迷いや苦しみから抜け出して悟りを開くことを意味しています。

もう少し専門的に言えば、解脱して悟りを開くこととされているのです。私たちの身近な生活の中では、死んでから仏になることと言ってもいいでしょう。

亡くなった人に対して「成仏してくれ」という言葉をかけることがありますが、これは故人をあの世に送り出す言葉です。肉体から離れた霊魂があの世に向かう姿を願っているのです。

成仏した状態とはどういうものか

人の命には限りがあります。この世(現世)での生を終えて亡くなった時、肉体から霊魂が分離・離れていくことになります。

しかし、この段階ではまだ煩悩を捨てて悟りを開いている状態ではありません。むしろこの世でやり残したことに対する未練が残っている霊魂もいるほどです。この時点では、本人が自分の死を自覚していない場合さえあります。

仏教の世界では四十九日という考え方がありますが、この時が訪れるまでは霊界と現世の間にある冥界というところでしばらく留まることになります。

そして、この期間を過ぎて霊界に昇っていった時に初めて成仏できると言えるのです。いわゆる三途の川を渡ることを意味しています。

残された親族への影響

亡くなった故人は霊界へと昇っていきますが、残された親族はどうなるのでしょうか。

「故人を偲ぶ」という言葉にはさまざまな意味が込められています。亡くなった人が親であれば、故人が生前やってきたことを懐かしんだり、昔の出来事を振り返ることが多いでしょう。一方で、不幸にして自分の子供が亡くなった時は、深い悲しみに包まれるはずです。

ただ、中には故人が親族に迷惑をかけていた場合、残された遺族は憎しみを抱いたままかもしれません。とは言っても、人の死は尊いものです。時間の経過とともに、徐々にその憎しみの意識も薄れていくかもしれません。

それだけ人が亡くなるということは、残された親族にとって日常生活では覚えることができない特別な感情をもたらすのです。

成仏できない霊魂とは

成仏とは現世での煩悩という一切の苦しみから脱却して悟りを開くことでした。これは全ての悩み・苦しみを捨て去り、心の安らぎを得る境地と言っていいでしょう。魂のあるべき姿に戻っていくことでもあります。

しかし、中には亡くなっても成仏できないというケースが時折あるものです。それは四十九日を過ぎても三途の川を渡ることができず、冥界に留まること。

中には冥界にも行くことができずに、辺りを彷徨っている場合も少なくありません。一定の場所に縛られてしまい、そこから離れることができないのです。

世間では地縛霊や浮遊霊と呼ぶ人もいますが、彼らもまた成仏できない霊魂と言っていいでしょう。成仏できないとは煩悩から抜け出すことができないこと。つまり霊になっても苦しみから解放されることがないわけです。

成仏できない2つの理由

では、何故彼らは成仏できないのでしょうか。それは大きく2つのタイプに分けることができます。

この世に未練を残して死んだ場合

人は誰でも願いや夢を持っています。「お金持ちになりたい」「偉くなりたい」「素敵な異性と幸せな生活を送りたい」など、さまざまな願望を持つものです。

しかし、それらの願望を中途半ばにして実現できずに命を落としてしまう…中には交通事故のように突発的な出来事で命を落とすこともあります。そのような人たちが現世でやり残した未練を残して成仏できないのです。

自ら命を絶ってしまうケース

いわゆる自殺ですが、この場合は永遠に成仏することができないと言われるほど罪なこととされています。説によっては、決して成仏できないとは言い切れないこともあるのですが、やはり霊界に昇ることが難しい霊魂であることは間違いないでしょう。

残された家族ができること

故人が成仏するためには、どうすればいいのでしょうか。成仏することができない霊魂は自分の力・意思でその状態から抜け出すことができません。別の言い方をすると、冥界で目を閉じたまま苦しんでいるとも考えられます。

このような一定の場所に留まっている霊魂を成仏させるためには、残された遺族の力が必要なのです。その力とは祈りです。まさに故人を偲ぶというものかもしれませんが、手を合わせて故人が成仏できるように祈るのです。

仏教の世界で言えば、亡くなってから初七日や四十九日・三回忌などと節目での供養をすることでもあります。このことによって遺族の思い・祈りの念が故人に伝わり、次第に成仏できない障壁が取り払われて、昇天することができるのです。

悪徳商法に注意

ここで注意しなくてはならないことは、悪徳商法にひっかからないようにすることです。世の中には、自称・霊能者を語る人間が少なくありません。亡き人の霊魂が見えるだけでなく、故人があの世からどんなことを言っているのかを家族に伝えることができると言って、近づいて来るのです。

しかし、彼らの中には決して霊能力がない人間も少なくありません。そのような力がないのに、あたかも霊能者のように装い、残された遺族を脅すのです。

「今、ここで水晶を手にすることで浮かばれない故人が救われる」と。

高額な商品を買わせる霊感商法は昔からありますが、今ではインターネットでお祓いや霊の浄化を求めてきたりと、そんな事例が後を絶ちません。このような霊感商法には十分注意が必要です。

因果応報と成仏の関係

因果応報の意味

仏教の教えの中に因果応報というものがあります。これは自分の行いが何れ自分に結果として戻ってくるという考えです。善い行いをすれば、何れは自分にいいことが起こる。悪いことをすれば、今度は災難や悪い結果が降りかかってくる。

まさに悪因悪果なのです。誰でも苦しいことを避けて楽な道に進みたいと思うものです。このことは決して悪いことだとは言えない面もありますが、楽するために人を欺くことや騙すことで、自分だけいい思いをする人がいます。

このような人は他人の幸せを踏みにじり、自分1人だけがいい思いをする。犠牲の上に自分だけが恵まれた環境に身を置くことは、御仏の意思から見れば見逃すことができない所業なのです。

このような人間も現世での命を終えて冥界に行っても、その後は成仏することができないのかもしれません。

生前の行いが成仏に関係するのか

果たして生前の行いが成仏に影響を及ぼしてしまうのでしょうか。結論から先に言うと答えは”イエス”です。これは因果応報の法則が働いていると思われます。

生きている間にどれだけ善い行いをしたか。それに尽きると言っていいでしょう。人は一生の中で全て善いことばかりできることはありません。時には嘘をつくこともあるでしょうし、人を困らせたり泣かせることもあるはずです。

それでもその1つひとつの行いを振り返り反省をすればいいのです。誰でも過ちはあるもの。それを悔い改めて次に活かしてください。そうすることで生きている間に人に対して慈愛の心で接することができるようになり、この世での使命を終えた時、成仏することができるのです。

生前に何をすれば成仏できるのか

では、生きている間に何をすれば成仏することができるのでしょうか。簡単に言うと、善い行いをすることです。但し、その行動は決して人が喜んでくれたとしても、見返りを求めてはいけません。

ずる賢い人になると、表面上では善行をしているように見えても、心の中では打算的なことを考えているものです。他人から「いい評価を得たい」「良く思われたい」という下心からそんな行動になるのです。

しかし、このような人の振るまいは決して成仏を許してはくれないでしょう。何故ならば人を欺き善人を装っているだけだからです。だからこそ、本当に成仏したいのであれば、周りの人が見ていなくても、世の中のため・人のために働くことが成仏に繋がっていくと思ってください。

成仏できないとどうなるのか

成仏できないということは、煩悩という苦しみから抜け出すことができずに冥界に留まってしまうこと。あるいは冥界にも行けずに、この世の負の波動を持つ陰湿で暗い場所で縛られてしまうことになるでしょう。

霊界は光の世界であり、魂が安らぐ温かい世界です。一方で冥界は地獄の入り口にも通じており、輪廻転生さえできずに暗く苦しみと恐怖の世界に留まってしまうのです。しかも、私たち人間の時間感覚では計ることができないほどの長い間、苦しい闇の世界で恐れおののきながら苦しむことになるのかもしれません。

仏教やキリスト教の世界でも、悪い人間が堕ちていく地獄の世界があります。1度この世界に堕ちてしまうと、数億年という気の遠くなる時間の中で苦しい責め苦を受けるとも言われているのです。

どういう霊が成仏できないのか

成仏できない霊とはどのようなものでしょうか。ひとことで言えば、この世に未練を残している霊であったり、深い恨みを持っている霊であったりします。

特に人から騙されたりして命を落とした霊は強い恨みを持っているため、成仏できないことがよくあります。しかし、このような霊魂は手厚い供養で成仏することが可能です。

一方で未練を残した霊は、一定の場所の負の波動に捕まり、逃げ出すことができません。いわゆる地縛霊と呼ばれる存在です。このような霊魂は他人を引き込んでまで自分が救われようと考えています。

或いは、全く関係のない人さえも巻き込んで、自分の苦しみを押し付けようとしているのかもしれません。何れにしてもこの世に良くない思いを残していった霊が成仏できないと言ってもいいでしょう。

成仏できない条件

成仏できない条件について考えてみましょう。前述のように成仏できない霊魂は、現世に何かしらの未練を残しています。そのため生きている時に自分の思いを遂げることができなかった場合に、死んでもこの場に留まりたいと思うのです。これが成仏できない典型的な条件と言ってもいいでしょう。

また、未練に近い感情としては、深い恨みを持つ霊魂も同じです。人に騙されたり欺かれたことで、現世での生き方が滅茶苦茶に狂わされて、最後は無念の死を迎えた時に、やはり、成仏できないのです。これもまたもう1つの成仏できない条件となるわけです。

人の負の思念の中でも、恨みの念が最も恐ろしく、現世に生きる人たちの生命さえを脅かしかねません。それだけ恨みを抱いている霊魂は浮かばれることが難しいのです。

成仏できていない霊の親族への影響

次に残された親族について考えてみることにします。成仏できない故人がいた場合、親族にその災いが起きることが少なくありません。

成仏できずに浮かばれない霊魂は、親族に自分の苦しい思いを伝えようと必死になることがあります。しかし、このような場合はまだいい方で、もし霊魂が親族に深い恨みや憎しみを抱いていたなら、災いがもたらされる可能性が考えられるのです。

それは呪いと言ってもいいかもしれません。生前、自分を苦しめた親族を呪い、自分の苦しみをその相手にも味わせようとしています。そのため成仏できない霊魂は最悪の場合、怨霊と化して、一族そのものを呪う恐れも考えられるのです。

このように成仏できない霊魂が他人に災いを巻き起こすことが、最も厄介なことだと理解しなくてはなりません。

成仏させるための具体的な方法

お墓の改善で成仏するか

では、成仏できない霊魂を鎮めるためにはどうすればいいのでしょうか。1つにお墓を改善することが挙げられます。昔から浮かばれない人のために供養塔というお墓が建てられたことを耳にしたことがある人もいらっしゃることと思います。

このようにお墓は単純に遺骨を納める場所という役割を持っているだけでなく、その霊を鎮めて現世に生きる親族と霊を繋ぐ交流の場と思うべきでしょう。

但し、豪勢なお墓を建てる必要はありません。身近な改善方法としては、お墓の周りを掃除したり、墓石を洗い磨くことできれいにするだけでも十分です。大事なことは亡くなった故人の存在を忘れないこと。これは一番の供養であり、お墓の改善方法だと思ってください。

誰でも簡単にできる方法です。

お墓の風水を良くすると成仏するか

近年、風水で運気を高めることが注目されています。風水は気や霊波動の流れを良くしていき、運気を高めていく占星術的な思想と言ってもいいでしょう。

家でも気の流れを止めてしまうような家具の置き方で、運気が下がってしまうと言われていますが、この思想をお墓に当てはめることはできるのでしょうか。

風水には方位学的な要素も含まれているため、先祖を敬い鎮魂するための理想的なお墓の建て方はあるでしょう。しかし、すでに建ててしまったお墓の方角を変えることは現実的ではありません。

前述のようにお墓の周りの塵・ゴミ・落ち葉などを片付けて、きれいにするだけでも風水的な効果が現れ、成仏できない霊も喜んでくれるはずです。

経済的に余裕がある人は縁起の良い方角に向けたお墓の建て方もできるでしょうが、清潔にしておくだけでも、大きな効果があります。

霊能者の御祈願で成仏するのか

次に霊能者に御祈願してもらうことはどうでしょうか。霊感のない人が故人と意識を交わすことは中々できるものではありません。

そのために身近なところで霊障があっても、どうしてこのようなことが起きるのか理解できないことが結構あります。

但馬のところでも簡単な生霊や死霊を払う方法は教えてますが、相手の念が強い場合、お祓いや御祈祷・護摩焚きなどをしてもらう事は、かなりの効果が期待できます。

故人の思いを知る事もできますし、一般人では鎮めることができない霊の怒りや無念さを浄化させることができるからです。

但し、注意しなくてはならないことは、本物の霊能者かどうかを見極めることです。

中には詐欺的な霊媒師・占星術師などもいますので、口コミなどで評判を確認しておくことが必要です。

本物の霊能力者であることさえ分かれば、絶大な力を発揮してくれることでしょう。

護摩焚きで成仏するのか

護摩焚きはどうでしょうか。護摩焚きを実際に見たり、経験した人はそんなに多くはないでしょう。非常に神秘的で厳かな空気の中で行われる行です。

それだけに成仏できない霊魂を鎮めて浄化する力は想像を絶しています。恐らく護摩焚きを行ってもらうことで、これまで成仏できなかった霊の負の思念をきれいに鎮めることができます。

但し、護摩焚きの行は、かなりの修行を積み重ねてきた人しかなせない難度の高い呪法のようなものです。密教の世界であれば、最高位に位置する阿闍梨クラスの人が行うことで、初めて浮かばれない霊魂を成仏させることができるのではないでしょうか。

このように考えると、護摩焚きは成仏できない霊魂を鎮めるために効果の高い方法ではあるものの、毎日行う必要があります。

また、きちんと修行を行い食生活なども古来の方法で行っている人を正しく見極めなければならないでしょう。

まとめ:成仏と輪廻転生

成仏することは、輪廻転生という生まれ変わりの法則の中では必要なことです。現世で正しく生きて使命を終えた時、成仏して純粋無垢な魂に還っていきます。そして、新たな目的を持って再びこの世に転生してきます。

しかし、何かしらの理由で成仏することができなかった霊魂は自身の魂を成長させることができない上に、残された親族・家族にも悪影響を及ぼしてしまうこともあります。

故人がどのような思いを残して、あの世に旅立って行ったかを推り知ることは難しいのですが、少なくとも自分たちの周りで霊障があるなら、ここで紹介した方法で成仏できない霊を鎮めていくようにしてあげてください。

それで残された親族も明るい人生を送ることができるようになるでしょう。

冒頭でもお話したように成仏することとは、生きている間に持っていた苦しみ・悲しみ・恨み・憎しみと言った感情だけでなく、様々な欲望を脱ぎ捨ててきれいになるとなっていますが、実際はそれとも少し違うように私は思っています。

しかし、何故に成仏しなくてはならないのか?その奥に秘められていることを自分なりに考えてみることは重要です。

スピリチュアルの世界では、リーインカネーションと呼ばれるこの法則は、魂の成長を語る上では外すことができない重要なルールです。

この生まれ変わりの目的は現世に転生することとあの世に戻るプロセスの中で魂を磨きながら成長させていくことなのです。これが私たち生命の宿命でもあり、生きる喜びでもあるのですが、その行きつく先は、生まれ変わりのない安らかな世界です。

それこそが解脱の境地であり生まれ変わる必要がない世界でもあります。このような境地に至るためには、生まれ変わることが必須です。

少なくとも成仏できないと生まれ変わりのルールに乗ることができません。このことを理解できると、成仏することがいかに重要なことが見えてくるのです。

Originally posted on 2022年6月28日 @ 12:21 AM

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